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食欲をそそる夏の料理…そうめんにも、冷やし中華にも、そしてカレーに添えられた、福神漬けにも使 われる食材…夏野菜の代表選手キュウリです。キュウリの瑞々しさは夏バテ気味の疲れた胃をシャキッと させてくれ、鮮やかな緑は目にも涼しげ。切って、叩いて、下ろして。切り方によって様々に食卓を飾り ます。太陽の恵みをいっぱいに受けて、青々と実ったキュウリは今がまさに旬。
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キュウリは生で食べるのが当たり前と思いがちですが、中国ではちょっと違うようです。 「キュウリは中国では陰と陽の中で陰に属する生野菜なので、体を冷やすといわれています。キュウリを 食べるときは火を通して陽に変えるという調理法を使います」彩を大切にする中華料理の世界では、火を 通しても色が変わらないキュウリを炒め物に使いその食感を楽しみます。
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キュウリといっても多種多様。日本だけでもその数、500品種以上。流通の9割を占めるおなじみの白 いぼキュウリ。歯切れの良さが特徴の四葉キュウリ。生食用に若採りしたもろきゅう。イボをなくした最新品種のフリーダム。
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石川県金沢市。石川県特産の加賀太キュウリです。一本で普通のキュウリの5本分。果肉が厚く、肉質 が締まっているのが特徴です。加賀前田家の御膳所を務めたという老舗・大友楼。こちらでは太キュウリを使った加賀伝統料理が夏の定番メニュー。透き通るように瑞々しい加賀太キュウリが大友楼仕込みのダシで煮ふくめられて行きます。ひすい色に仕上がった太キュウリ。ごまのあんをかけ、冷たくしていただきます。
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加賀太キュウリは昔から石川県の郷土料理と結びついた特産品でした。しかし昭和40年代、この加賀太キュウリに危機が訪れます。輸送手段が整備され、野菜は産地からより遠くへより大量に出荷されるようになります。望まれるのは輸送や連作に強い品種。やがて全国で同じものが作られるようになります。 流行のキュウリに押され、郷土の昔ながらのキュウリが減っていくことに危機感を抱いた人がいました。 松下さんは江戸時代から続く種苗会社の5代目。石川県の伝統野菜を守るため生産者、料理人、小売店な どに呼び掛け、保存会を設立しました。加賀太キュウリを守る頑固者に会ってみたくなりました。
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金沢市のお隣、かほく市。ここに加賀太キュウリの畑がありました。杉林に囲まれているのは他のキュウリとの交雑を防げるため。山の寒暖の差がおいしい加賀太キュウリを育てます。レモンイエローの美しい雌花が咲くと、およそ10日で見事な加賀太キュウリが育ちます。まさに加賀の気候と風土が守り続けた野菜です。休憩時間のお茶受けは太キュウリの塩もみです。シャキシャキとした歯触り、なんともいえない青臭さと豊かな水分が口の中に広がります。まさに夏の味です。親子3代で守り続ける郷土の味が、そこにはありました。 |
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さて、いまや日本人に欠かせない野菜となったキュウリですが、その歴史には知られざる不遇の時代がありました。キュウリの生まれ故郷はヒマラヤ山麓インド。原生種は激しい苦味があるそうですが、インドでは3000年も前から栽培されていたといいます。そこから世界各地へ伝播し、形や大きさも 様々な品種が出来てきます。キュウリを漢字で書くと「胡瓜(こうり)」。胡とは中国の西の国をさす言葉で、西から来た瓜という意味です。現在ではヨーロッパではピクルス、日本のお隣・韓国ではキムチとそれぞれの国で保存食の文化とも結びつきました。 |
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日本へは10世紀頃、中国から渡ってきたといわれていますが、どのうように食べられていたのでしょうか。私たちが普段食べている緑色のキュウリは熟す前のもの、昔のキュウリは苦味が強く黄色く熟してから食べていたそうです。日本最古の薬用辞典「本草和名」(918年)に胡瓜が載っていることからも、野菜というより薬として使われていたことがわかります。江戸時代の儒学者・貝原益軒はキュウリのことをこう記しています。「是瓜類の下品也。味よからず、且小毒あり」また、キュウリの切り口が徳川家の紋「三つ葉葵」に似ていることから、武士たちは恐れ多いと食べませんでした。同じ瓜科の仲間であるマクワウリやシロウリが主流で、江戸時代中頃まで、キュウリは人気のない野菜だったのです。元禄時代の「初物ブーム」で「初物を食べると75日長生きする」といわれ、江戸っ子は競って初物を食べました。キュウリはシロウリやマクワウリより早く栽培できることから、庶民の脚光を浴びることになります。やがて栽培の過程で苦味の少ないキュウリが栽培されるようになるのです。おかずの少なかった時代、糠漬けのキュウリは庶民に欠かせない野菜となっていきました。 |
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東京のベッドタウン、埼玉県岩槻市。朝6時、キュウリの収穫の始まりです。キュウリは新鮮さが命。太陽の熱を持たないうちに美味しさが凝縮されたキュウリを採ります。鋭いトゲは瑞々しさの証拠。V字カッターのついたサックを指先につけ、丁寧に収穫していきます。切り口を最小限にすることが鮮度を保つ秘訣です。収穫したキュウリはすぐに畑の横にある直売所に並べられます。「この土地でできた新鮮な野菜をそこで暮らす人々に食べてもらいたい」と30年前この直売所を設けました。昼過ぎ、収穫を終えた畑に水が引かれます。明日もまたこの畑から、自慢のキュウリが収穫されます。 |
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採れたてのキュウリを糠漬けにします。昔から受け続けた糠床です。「50年糠を足しながらやってます。」野菜の養分をたくさん吸った糠床で漬かったキュウリが、きょうも食卓を飾ります。いまや一年中出回っているキュウリ。その土地土地で旬の味を大切にする人々、そこにはキュウリ本来のおいしさがありました。 |
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【取材手帖−今回お世話になった取材先−】
1.大友楼 「加賀伝統料理の老舗料亭」 住所:石川県金沢市尾山町2−27 電話番号:076−221−0305
2.華都飯店(シャトーハンテン) 「キュウリの中華料理」 住所:東京都港区三田2−7−1 電話番号:03−3453−0893
3.やまた園芸 「キューリ栽培・直売」 住所:埼玉県岩槻市上野361 電話番号:048−794−3228 |
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| 悠久の翼 |
| 作詞・作曲:綺羅 |
空には空の大地が 雲居に水を得て たゆたう心洗うよう この身にふり注ぐ
山には山の細波 花散る風仰ぎ 里居を忘れた小鳥が 眠りにつく奏
時知らず 芽吹いてく 矢羽根のあたたかいぬくもり
万世に 続いてく いとなみを はかなき事に逸る命 大空 翔け昇る
月には月の縁が あるから生きられる 愛しい万物を守るため 光を湛えてく
月には月の縁が まばゆい影おとし 救いを求める万物へと その手を差し延べる
翼を高く広げて はばたくその時に 一粒こぼれ落ちた実が やがては花になる
月には月の縁が あるから生きられる 愛しい万物を守るため 光を湛えてく
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| ※上記の曲は、販売しておりません。 |
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